こんにちは、スナックミーでデータエンジニアをしている加藤です。
スナックミーでは多種多様なおやつの中からユーザー一人一人に合った8つのおやつをお届けするサービスをメインに展開しています。
そんなたくさんのおやつ達は、定期便の商品を主に担当する商品開発チームによって日夜、考案・試作され、より多くのユーザーさんに楽しんでもらえるように開発が行われています。
今回はこの商品開発をさらに良いものとするための、データを扱う立場からの関わりや取り組みについて紹介していこうと思います。
スナックミーの商品開発
スナックミーでは常時数百近いSKUを展開しており、さらには毎週月曜日に新商品を打ち出すというサイクルが回っています。 これらの美味しいおやつは非エンジニアである商品開発チームによって開発されており、ユーザーさんからいただいた評価やコメントなどを元に様々な商品が生み出されています。
ありがたいことに多くのユーザーさんから評価などをいただいており、その結果、データを確認するために度々エンジニアへとSQLによるデータ抽出依頼が飛んでくる状況が続いていました。
そこで開発の効率化・高度化のために、ここ数ヶ月商品開発チームと連携して様々なことに取り組んできました。
シンプルなデータの可視化・ダッシュボード化
取り組みのファーストステップとして、商品開発チーム用のダッシュボードを作成し、現状の見える化を進めました。 データをいつでも簡単に、かつ一元的に確認できる体制を作ることで、まずは現状がどうなっているのかを正しく把握しやすくすることから始めました。
例えば上の画像のようにユーザーさんからいただいた各おやつの評価などを可視化し、モニターできるようなダッシュボードを作成していきました。
最初のうちは非常に単純な数字の可視化ばかりでしたが、次第に商品開発チーム側からも「もっとこういう値が見たい!」や「こういう点から考えるためのデータが欲しいんだけど」などといった声をいただけるようになり、商品開発チームにとって意味のあるダッシュボードへと進化していきました。
商品を様々な視点で見るための指標の考案・提供
より良いおやつを開発していくためには、だんだんと単純な数字の可視化だけでは不十分に感じることが多くなっていきました。 なぜなら「より良い」ことを考える上での基準が複数あるからです。
例えば、おやつの評価について言えば、最も単純な指標としては平均点
があるでしょう。
しかし、
- 万人受けする全体的に評価の高いおやつ
- 一部の人からはものすごく良い評価を得られるが、別のある人に取ってはあまり良くない
を同列に平均点だけで考えるのは果たして正しいでしょうか? おそらく平均点だけで言えば万人受けするおやつが高くなるはずですが、ユーザーさん一人一人にとってより良いおやつの開発を目指す上では、2つめの一部の人から高い評価を得るおやつも「違った視点では良いおやつだ」と判断をくだせる必要があります。
また評価だけでなく、
- 生産のしやすさ・発注量の増加幅
- とても評価が高く人気のおやつでも、ほんのわずかにしか作れずお届けできる量が限られていては困ります
- 割れや欠けの発生しにくさ
- どんなに美味しくても、おやつの強度に問題があり、お届けの途中で毎回粉々になってしまうのではがっかり感が大きくなってしまいます
- 季節感やシーズンとのマッチ
- 春夏秋冬やイベントごとなど、いつ食べるのかという点も無視できません
といった様々な要素が関与してきます。 しかし、これらを全て一つずつ見えるようにしたところで、今度は逆に商品開発チームが目を通すべきデータが多くなりすぎてしまい、いずれ確認することすら億劫になってしまうことは容易に想像がつきます。
そこで、いくつかの視点から複合的な指標を考案し、対象を絞ったデータを商品開発チームには注視してもらうようにしました。
上の画像は、ある「別の視点での良さ」を可視化した複合指標のダッシュボードです。 これにより、平均評価だけでは分からなかった点まで議論できるようになりました。
コミュニケーション密度を上げ、要望を吸い上げやすい体制を作る
上であげたような指標の整備と合わせて、定期ミーティングではどのおやつがどの指標に対してインパクトを与えると仮定しているのか?またその結果はどうだったのか?といった形で振り返りなどを進めるようにしています。
そうすることで、おやつごとに求める良さを整理し、より解像度を上げた振り返りと今後の開発への活用ができるようになってきていると感じています。
このように、整備したデータを提供する側から積極的にコミュニケーションを取るようにし、データ利用の促進や商品開発チームが求めているデータがどういうものなのかを確認しやすい体制を作っています。
今後に向けて
ここまでいくつか紹介してきましたが、こうしたアクションは大量のデータが扱いやすく整備されていることを前提にしています。 データ基盤の構築によって、ここ最近で様々なアクションが取りやすくなってきましたが、まだまだ進化の余地のある領域だと思っています。
個人的には、(知識的に比較的明るい) 統計解析や数理モデリングによる分析の高度化や、機械学習による商品開発の補助についても今後進めて行けたらと思っています。
最後に
今回はスナックミーの商品開発について、データエンジニアの視点から書いてみました。 まだまだできること、やれていないことも多く今後の伸び代は非常に大きいです!
もしデータドリブンな商品開発やおやつに興味のある方がいらしたら、ぜひお話しを聞きにきてください!お待ちしています!